全作品

 

岡山「発」映画

 

『ひかりのおと』

2011年,脚本・監督:山崎樹一朗,89分,出演:藤久善友、森衣里、真砂豪

その土地と人の営みを見つめる”地産地生“映画

岡山県北、山深きところ。代々酪農を営む狩谷家の長男・雄介は音楽を志し東京で暮らしてきたが、父の怪我をきっかけに家業を手伝うため故郷に戻った。しかし消えぬ音楽への思いや酪農の現状、恋人との行き違いから、この土地を引き継ぎ、酪農家として生きていくのか迷いを抱えていた・・・。岡山県真庭市で農業を営む映画作家・山崎樹一郎が若き酪農家の葛藤と未来へのささやかな希望を「土地からの視点」で描いた長編初監督作品。


山崎樹一朗(やまさき じゅいちろう) : 1978年大阪出身。岡山県真庭市在住。学生のころ京都国際学生映画祭の企画運営に携わる。大学卒業後、映画監督・佐藤訪米の経営する「祇園みみお」にてスタッフ兼助監督として過ごし、8年間の京都生活を止め父の実家である真庭市に移住。現在トマト農家。農事組合法人ファーモニーズまにわ理事。

 

 

『さぬき巡礼ツアー』

2012年,監督:福田良夫,79分,出演:末原拓馬、椋田 涼、北川 肇、久藤今日子
配給・製作:特定非営利活動法人 CINEMA FACTORY

誰が決めた? 詐欺師が悪い奴だなんて」 詐欺師が仕掛けたニセ旅行ツアーは果たして成功するのか? お遍路とパワースポットを巡る痛快ロードムービー。

田中ジョーはドジでお人よしなイケメン詐欺師。一流の詐欺師を目指して奮闘していたが、仲間に騙されて捕まり、ようやく出所した。懲りないジョーは迎えに来た先輩詐欺師の矢吹ツトムに仕事が欲しいと頼む。ツトムは、お遍路とパワースポットを組み合わせたニセ旅行ツアーを企画していた。ジョーは霊能者役で参加することに。しかしジョーには、服役している間に認知症気味になってしまった父親、正(ただし)がいた。毎晩のように徘徊を繰り返す正を、ツトムの提案で詐欺ツアーに連れていくことになり・・・

 

福田良夫 : 1998年に自主映画団体CINEMA FACTORYを結成。独学で映画を作り始める。日常の中にありながらつい目をそむけてしまいがちなテーマを描くため、現在は日常的にボランティアや取材をしながら作品作りを続けている。

 

 

岡山「発」短編特集

 

『山陽女子高校放送部作品集』

『私たちの宝 1995年、あの日から10年』  2004年,製作:山陽女子高校放送部
『心の架け橋になりたい、山陽学園と長島愛生園の70年』 2006年,製作:山陽女子高校放送部

1993年、皇室主催の歌会始に、長島愛生園のハンセン病元患者の方の作品が選ば れます。しかし、体調不良のため会に出席できず、そのために入選歌が朗詠されないということが起きました。そのことを知った山陽女子高校放送部員がそのハ ンセン病元患者の方の無念の思いを聞き、ラジオ番組を制作。全国高校放送コンテストで全国優勝して大きな反響を呼び、皇室の方針を変えることにつながりま した。その後の放送部の代々のメンバーと元患者さんの交流を綴ったこれらの作品群は、学びや暮らしから生まれたまさに岡山発にふさわしい作品。

 

『虎ハ眠ラズ』

2011年、監督:田中幸夫、43分、出演:金泰九、製作:風楽創作事務所

ハンセン病回復者で在日韓国人の金秦九さんの半生を、金さんの講演活動を通じて出 会った方たちが、田中監督に依頼し、自主制作された作品。金さんは1926年に来日、1952年に大阪で発病し「長島愛生園」に強制隔離されます。「ハン セン氏病の知識を正しく知って欲しい」苦しさを乗り越えて生きてきた金さんと看護師を目ざす少女との対話で物語が進行します。

 

『Butterfly.f #001 - #004』

2012年、監督:近藤真生、20分

近藤真生 :1974年岡山市生れ。 2005年(株)ベネッセコーポレーション「直島展」ムービサウンドトラック担当。2006年、ルネスホールでのイベントルネスの森の物語(映像+ライブ)、2011年にサウンドトラックを手がけた「コンクリート サバンナ」が札幌国際短編映画祭のナショナル・プログラムに入選。今回、蝶をモチーフにした『Butterfly.f』シリーズを発表。

 

『ゴミ拾い』

2012年、監督:山本明子、30分

オランダ通りの古着屋に勤める平山君は、服が大好き。そんな彼がお休みの日に街のゴミを拾ってる。本当かな~。撮影地、岡山市。

 

『a pA r T』

2012年、監督:辺水アキカズ、10分、出演:園山敬介、天笠ちひろ

 離れ離れに暮らす遠距離恋愛のふたり。お互いいつしか持つようになっていた不安感 情。ある日の夜明け前、ほんのささ いな言葉で起きた不協和音。それは“夜明け前”の悪戯か。ふたりに訪れるエンディングは――。
この若い恋人たちの微妙な心の揺れを演じるのは俳優・園山敬介と天笠ちひろ。多忙のなか岡山に迎え、撮影は真冬に一 晩で行われた。音楽を担当するのは、石井裕也監督作品『川の底からこんにちは』(満島ひかり主演)、『あぜ道のダン ディ』(三石研、田口トモロヲ主演)など多くの映画音楽で活躍する今村左悶。

辺水アキカズ :編集マン金子尚樹と映画プロデューサー西田和昭に師事し、編集・製作を学ぶ中、俳優としても映画・ドラマに出演。主な出演作に大杉漣主演ドラマ『事故専務』(上田役)の他、2011年にドイツで撮影された外国映画『send from my 19th century transisutor radio(英題)』

 

『HEAVEN』

2012年、監督:岸本景子、35分、出演:神尾直人、竹内誠、竹田朋子

岡山県総社市で、母親と二人で暮らす野村貴文(32)。七年前に兄・逸貴が突然失 踪して以来、家業を継ぎ、身代わりのようになって生きてきた。失踪宣告の手続きの期間は7年。最後の望みをかけて、幼なじみの翠里と捜索のチラシを配る が、見つからず。仕方なく手続きを終え、葬儀も済ませた8年目のある日。街角の踏切の向こうに見えたのは、昔と変わらぬ兄の姿だった。

 

 招待作品

 

『アントキノイノチ』

2011年,監督:瀬々敬久,131分,出演:岡田将生、榮倉奈々,製作:松竹

今の時代だからこそ、瀬々監督が問う「イノチ」の映画監督来岡決定!

親友の命を奪った彼、かけがえのない命を守れなかった彼女。遺品整理という命と向き合う現場で二人は出会った。今、全国でイジメを含めて様々な事件が起こりながら、そのことを深く考えることができない私たち。こんな時代のなかで、映画は生と死という普遍的テーマを若い二人の目線で描きます。生きているかぎり人とつながっていたい!榮倉奈々の好演が光るなか、今回は、日本映画字幕付きバリアフリーでの上映を実現。あらゆる世代に必見の作品。

 

瀬々敬久 : 960年大分県生まれ。京都大学在学中に「ギャングよ向こうは晴れているか」を製作。ピンク映画の助監督を経て「雷魚」「ヒステリック」等を発表。「ヘヴンズストリー」ではベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。今もっとも現代に向き合い、挑戦する日本映画監督。

 

 

『石巻市立湊小学校避難所』

2012年,監督・撮影:藤川佳三,製作:瀬々敬久,124分,制作:スタンスカンパニー、IN&OUT

愛しくて、すごい人たち この映画が伝える希望

2011年3月、東日本大震災。石巻市の死者、行方不明者3,779名。ピーク時には5万人以上の市民が避難所の生活を余儀なくされた。4月21日、旧北上川に近い湊小学校を藤川監督は訪れた。それから避難所が閉鎖される10月11日までの6ヶ月あまり、そこに泊まり込み、避難者に寄り添いながらカメラは回る。「3・11大震災の悲しみを笑顔に換えて歩み出す。人って愛おしく、すごい!」(河北新報社 桂 直行さん)の言葉です。

 

藤川桂三1968年香川県生まれ。映画を志し瀬々敬久の助監督になる。以降、フリーランスで劇映画、テレビの仕事に従事。家族の再生をテーマに2005年「サオヤの月」を製作。

 

 

『さようならUR』

2011年、監督・撮影・編集・ナレーション:早川由美子、73分、出演:高幡台団地73号棟住民のみなさん、製作配給:Petite Adventure Films

異色の“住宅”ドキュメンタリー映画

耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR(旧住宅公団)管理の高幡台団地73号棟(東京・日野市)。数年前までURは耐震改修を行うと住民に知らせていたにもかかわらず、突然の方針転換。UR団地の住宅削減方針が決まったのと時を同じくして発表された73号棟の取り壊し。背景にあるのは団地の削減、民営化なのか?
偶然この問題を知った監督が、団地に住む人々の暮らしに密着し、住宅問題の専門家、UR、国交省…と取材する中で、公共住宅問題に潜む、日本の組織体制の問題点をも浮き彫りにする。(山形国際ドキュメンタリー映画祭2011第1回スカパー!IDEHA賞受賞作品)

 

早川由美子 : 1975年東京都出身。成蹊大学法学部、London School ofJournalism卒業。公務員、会社員を経て、ジャーナリストを志し2007年に渡英。ロンドンでジャーナリズムを学ぶ傍ら、独学で映像製作を始める。本作はロンドンでの反戦運動を取材した映画『ブライアンと仲間たちパーラメント・スクエア SW1』に続く二作目

 

 

『モバイルハウスのつくりかた』

2011年、監督:本田孝義、98分、出演:坂口恭平、製作:戸山創作所、配給:スリーピン

「建てない」建築家がいる。名前は坂口恭平。

「0円ハウス」「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」といった著作で現代のライフスタイルに問いを投げかけ、故郷熊本につくった“ゼロセンター”で新しい生き方を模索する。
坂口さんは、早稲田大学建築学科在学中に路上生活者の家と出会い、家について、生活について根本的に考えることを始めた。なぜ、建築家は巨大な建築物を建てるのだろう?なぜ、私たちは身の丈にあった巣のような家を建てることができないのだろう?
数々の著作で路上生活者の生活をレポートしてきた坂口さんは、2010年11月、ついに初の建築作品、モバイルハウスの製作にとりかかる。

 

本田孝義 : 1968年岡山県生まれ。法政大学卒。5本の長編ドキュメンタリー映画を製作するのと並行して、多数の現代美術展で映像作品を発表している。主な作品に『科学者として』(1999)、『ニュータウン物語』(2003)、『船、山にのぼる』(2007)がある。

 

 

『やぎの冒険 The Catcher on the Shore』

2010年、監督:仲村颯悟、84分、出演:上原宗司、儀間盛真、平良進、吉田妙子、津波信一
製作:映画「やぎの冒険」製作委員会(株式会社シュガートレイン、沖縄タイムス社、琉球放送株式会社、株式会社インデックス沖縄)、企画/配給:株式会社シュガートレイン

沖縄が生んだ若き才能。監督、十四歳。

裕人は街っ子、那覇の小学六年生。冬休みに母の実家ヤンバルのオジイとオバアの家へ泊りに出かけ、飼われている二頭のやぎにたちまちに引き付けられる。数日後、一頭が見えなくなり、いままた残りの一頭が姿を消す。やぎの運命やいかに?十四歳の監督と同年代の主人公を設定し、少年の成長と何があろうと営営として営まれる沖縄の等身大のいまの暮しがユーモアを交え、アクションで描かれる。シリアスであると同時にコメディ。主題歌はCocco。

 

仲村颯悟(なかむら りゅうご) : 1996年1月10日生れ。現在、沖縄県立球陽高校二年生。本作制作時は十四歳。小学三年生の時からホームビデオを片手に見よう見まねで映画を撮り始める。作品は三十本以上。宮古島で撮影した『島の時間』では1600人動員。

 

 日限の縁日共催企画

 

『パンダコパンダ』

1972年、原案・脚本・画面設定:宮崎駿、演出:高畑 勲(岡山朝日高校出身)、35分、声の出演:熊倉一雄
製作:東京ムービー、配給:東宝

宮崎・高畑黄金コンビにとって、今なお一番大切なアニメーション

おばあちゃんと二人暮らしのミミちゃん。おばあちゃんが遠くに出かけることになりミミちゃんは、ひとりお留守番。そこにことばを話すパンダの親子がやってくる。パンダブームに沸く1972年に公開された本作品は、「となりのトトロ」などの原点ともいえるシーンもあり、その後の宮崎・高畑作品に通じる完成度の高さが点在のお宝アニメ映画。何よりもミミちゃんの元気のよさが楽しい!  


 

『大魔神怒る』

1966年、監督:三隅研次、出演:本郷功次郎、藤村志保、79分、製作:大映

岡山市表町出身本郷功次郎さん主演!日本の特撮映画史にその名を刻む大魔神復活!

世が乱れ、民が苦しむ。そのとき、穏やかな埴輪武人が大魔神と化す。北欧の巨人伝説をもとにしたチェコ映画「巨人ゴーレム」にインスピレーションを得、日本の民話や伝説を加えた、特撮時代劇。主演は、日限の縁日にふさわしく、表町出身の本郷功次郎さんと若き藤村志保さん。造形は「ウルトラQ」の怪獣造形でも有名な高山良策。音楽はあのゴジラシリーズを手がけた伊福部昭。ハリウッド映画「十戒」を想起するシーンもあり、日本の特撮映画の歴史に名を刻む作品が、1日映画館復活上映作品としてよみがえります。  


 

『尾上松之助×柳下美恵の夕べ--パイオニアの輝き--』

『豪傑児雷也』 1921年,日活製作,牧野省三監督,21分,35ミリ,白黒,画邦,1:1.33,サイレント
※1972年作成の35ミリプリントよりデジタル化。

『中山安兵衛』 1925年,日活京都製作,波多野安正監督,4分
※劇場フィルムが、玩具映写機用に切り売り販売されたもの。

『荒木又右衛門』 1925年,日活京都製作,池田富保監督,7分35秒
※パテ・ベビー(9.5)からの復元。松之助映画出演1000本記念映画。岡山後楽園でもロケ撮影。

以上 伴奏/トーク:柳下美恵

『忠臣蔵』[活弁トーキー版] 1910年~1912年の間に制作されたものと推測,横田商会製作,牧野省三監督,42分,35ミリ,白黒,画邦,1:1.375,トーキー
※当該のバージョンは後年、活弁をサウンドトラックに収録したもの。1988年作成の35ミリプリントより、2005年にデジタル化。3巻目前半は、元素材である可燃性プリントの膜面溶解により、画音とも不良。

 

岡山「発」映画

 

『ひかりのおと』

2011年,脚本・監督:山崎樹一朗,89分,出演:藤久善友、森衣里、真砂豪

その土地と人の営みを見つめる”地産地生“映画

岡山県北、山深きところ。代々酪農を営む狩谷家の長男・雄介は音楽を志し東京で暮らしてきたが、父の怪我をきっかけに家業を手伝うため故郷に戻った。しかし消えぬ音楽への思いや酪農の現状、恋人との行き違いから、この土地を引き継ぎ、酪農家として生きていくのか迷いを抱えていた・・・。岡山県真庭市で農業を営む映画作家・山崎樹一郎が若き酪農家の葛藤と未来へのささやかな希望を「土地からの視点」で描いた長編初監督作品。

 

山崎樹一朗(やまさき じゅいちろう) : 1978年大阪出身。岡山県真庭市在住。学生のころ京都国際学生映画祭の企画運営に携わる。大学卒業後、映画監督・佐藤訪米の経営する「祇園みみお」にてスタッフ兼助監督として過ごし、8年間の京都生活を止め父の実家である真庭市に移住。現在トマト農家。農事組合法人ファーモニーズまにわ理事。

 

 

『さぬき巡礼ツアー』

2012年,監督:福田良夫,79分,出演:末原拓馬、椋田 涼、北川 肇、久藤今日子
配給・製作:特定非営利活動法人 CINEMA FACTORY

誰が決めた? 詐欺師が悪い奴だなんて」 詐欺師が仕掛けたニセ旅行ツアーは果たして成功するのか? お遍路とパワースポットを巡る痛快ロードムービー。

田中ジョーはドジでお人よしなイケメン詐欺師。一流の詐欺師を目指して奮闘していたが、仲間に騙されて捕まり、ようやく出所した。懲りないジョーは迎えに来た先輩詐欺師の矢吹ツトムに仕事が欲しいと頼む。ツトムは、お遍路とパワースポットを組み合わせたニセ旅行ツアーを企画していた。ジョーは霊能者役で参加することに。しかしジョーには、服役している間に認知症気味になってしまった父親、正(ただし)がいた。毎晩のように徘徊を繰り返す正を、ツトムの提案で詐欺ツアーに連れていくことになり・・・

 

福田良夫 : 1998年に自主映画団体CINEMA FACTORYを結成。独学で映画を作り始める。日常の中にありながらつい目をそむけてしまいがちなテーマを描くため、現在は日常的にボランティアや取材をしながら作品作りを続けている。

 

 

 

岡山「発」短編特集

 

『山陽女子高校放送部作品集』

『私たちの宝 1995年、あの日から10年』  2004年,製作:山陽女子高校放送部
『心の架け橋になりたい、山陽学園と長島愛生園の70年』 2006年,製作:山陽女子高校放送部

1993年、皇室主催の歌会始に、長島愛生園のハンセン病元患者の方の作品が選ば れます。しかし、体調不良のため会に出席できず、そのために入選歌が朗詠されないということが起きました。そのことを知った山陽女子高校放送部員がそのハ ンセン病元患者の方の無念の思いを聞き、ラジオ番組を制作。全国高校放送コンテストで全国優勝して大きな反響を呼び、皇室の方針を変えることにつながりま した。その後の放送部の代々のメンバーと元患者さんの交流を綴ったこれらの作品群は、学びや暮らしから生まれたまさに岡山発にふさわしい作品。

 

『虎ハ眠ラズ』

2011年、監督:田中幸夫、43分、出演:金泰九、製作:風楽創作事務所

ハンセン病回復者で在日韓国人の金秦九さんの半生を、金さんの講演活動を通じて出 会った方たちが、田中監督に依頼し、自主制作された作品。金さんは1926年に来日、1952年に大阪で発病し「長島愛生園」に強制隔離されます。「ハン セン氏病の知識を正しく知って欲しい」苦しさを乗り越えて生きてきた金さんと看護師を目ざす少女との対話で物語が進行します。

 

『Butterfly.f #001 - #004』

2012年、監督:近藤真生、20分

近藤真生 :1974年岡山市生れ。 2005年(株)ベネッセコーポレーション「直島展」ムービサウンドトラック担当。2006年、ルネスホールでのイベントルネスの森の物語(映像+ライブ)、2011年にサウンドトラックを手がけた「コンクリート サバンナ」が札幌国際短編映画祭のナショナル・プログラムに入選。今回、蝶をモチーフにした『Butterfly.f』シリーズを発表。

 

『ゴミ拾い』

2012年、監督:山本明子、30分

オランダ通りの古着屋に勤める平山君は、服が大好き。そんな彼がお休みの日に街のゴミを拾ってる。本当かな~。撮影地、岡山市。

 

『a pA r T』

2012年、監督:辺水アキカズ、10分、出演:園山敬介、天笠ちひろ

 離れ離れに暮らす遠距離恋愛のふたり。お互いいつしか持つようになっていた不安感 情。ある日の夜明け前、ほんのささ いな言葉で起きた不協和音。それは“夜明け前”の悪戯か。ふたりに訪れるエンディングは――。
この若い恋人たちの微妙な心の揺れを演じるのは俳優・園山敬介と天笠ちひろ。多忙のなか岡山に迎え、撮影は真冬に一 晩で行われた。音楽を担当するのは、石井裕也監督作品『川の底からこんにちは』(満島ひかり主演)、『あぜ道のダン ディ』(三石研、田口トモロヲ主演)など多くの映画音楽で活躍する今村左悶。

辺水アキカズ :編集マン金子尚樹と映画プロデューサー西田和昭に師事し、編集・製作を学ぶ中、俳優としても映画・ドラマに出演。主な出演作に大杉漣主演ドラマ『事故専務』(上田役)の他、2011年にドイツで撮影された外国映画『send from my 19th century transisutor radio(英題)』

 

『HEAVEN』

2012年、監督:岸本景子、35分、出演:神尾直人、竹内誠、竹田朋子

岡山県総社市で、母親と二人で暮らす野村貴文(32)。七年前に兄・逸貴が突然失 踪して以来、家業を継ぎ、身代わりのようになって生きてきた。失踪宣告の手続きの期間は7年。最後の望みをかけて、幼なじみの翠里と捜索のチラシを配る が、見つからず。仕方なく手続きを終え、葬儀も済ませた8年目のある日。街角の踏切の向こうに見えたのは、昔と変わらぬ兄の姿だった。

 

 

招待作品

 

『アントキノイノチ』

2011年,監督:瀬々敬久,131分,出演:岡田将生、榮倉奈々,製作:松竹

今の時代だからこそ、瀬々監督が問う「イノチ」の映画監督来岡決定!

親友の命を奪った彼、かけがえのない命を守れなかった彼女。遺品整理という命と向き合う現場で二人は出会った。今、全国でイジメを含めて様々な事件が起こりながら、そのことを深く考えることができない私たち。こんな時代のなかで、映画は生と死という普遍的テーマを若い二人の目線で描きます。生きているかぎり人とつながっていたい!榮倉奈々の好演が光るなか、今回は、日本映画字幕付きバリアフリーでの上映を実現。あらゆる世代に必見の作品。

 

瀬々敬久 : 960年大分県生まれ。京都大学在学中に「ギャングよ向こうは晴れているか」を製作。ピンク映画の助監督を経て「雷魚」「ヒステリック」等を発表。「ヘヴンズストリー」ではベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。今もっとも現代に向き合い、挑戦する日本映画監督。

 

 

『石巻市立湊小学校避難所』

2012年,監督・撮影:藤川佳三,製作:瀬々敬久,124分,制作:スタンスカンパニー、IN&OUT

愛しくて、すごい人たち この映画が伝える希望

2011年3月、東日本大震災。石巻市の死者、行方不明者3,779名。ピーク時には5万人以上の市民が避難所の生活を余儀なくされた。4月21日、旧北上川に近い湊小学校を藤川監督は訪れた。それから避難所が閉鎖される10月11日までの6ヶ月あまり、そこに泊まり込み、避難者に寄り添いながらカメラは回る。「3・11大震災の悲しみを笑顔に換えて歩み出す。人って愛おしく、すごい!」(河北新報社 桂 直行さん)の言葉です。

 

藤川桂三1968年香川県生まれ。映画を志し瀬々敬久の助監督になる。以降、フリーランスで劇映画、テレビの仕事に従事。家族の再生をテーマに2005年「サオヤの月」を製作。

 

 

『さようならUR』

2011年、監督・撮影・編集・ナレーション:早川由美子、73分、出演:高幡台団地73号棟住民のみなさん、製作配給:Petite Adventure Films

異色の“住宅”ドキュメンタリー映画

耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR(旧住宅公団)管理の高幡台団地73号棟(東京・日野市)。数年前までURは耐震改修を行うと住民に知らせていたにもかかわらず、突然の方針転換。UR団地の住宅削減方針が決まったのと時を同じくして発表された73号棟の取り壊し。背景にあるのは団地の削減、民営化なのか?
偶然この問題を知った監督が、団地に住む人々の暮らしに密着し、住宅問題の専門家、UR、国交省…と取材する中で、公共住宅問題に潜む、日本の組織体制の問題点をも浮き彫りにする。(山形国際ドキュメンタリー映画祭2011第1回スカパー!IDEHA賞受賞作品)

 

早川由美子 : 1975年東京都出身。成蹊大学法学部、London School ofJournalism卒業。公務員、会社員を経て、ジャーナリストを志し2007年に渡英。ロンドンでジャーナリズムを学ぶ傍ら、独学で映像製作を始める。本作はロンドンでの反戦運動を取材した映画『ブライアンと仲間たちパーラメント・スクエア SW1』に続く二作目

 

 

『モバイルハウスのつくりかた』

2011年、監督:本田孝義、98分、出演:坂口恭平、製作:戸山創作所、配給:スリーピン

「建てない」建築家がいる。名前は坂口恭平。

「0円ハウス」「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」といった著作で現代のライフスタイルに問いを投げかけ、故郷熊本につくった“ゼロセンター”で新しい生き方を模索する。
坂口さんは、早稲田大学建築学科在学中に路上生活者の家と出会い、家について、生活について根本的に考えることを始めた。なぜ、建築家は巨大な建築物を建てるのだろう?なぜ、私たちは身の丈にあった巣のような家を建てることができないのだろう?
数々の著作で路上生活者の生活をレポートしてきた坂口さんは、2010年11月、ついに初の建築作品、モバイルハウスの製作にとりかかる。

 

本田孝義 : 1968年岡山県生まれ。法政大学卒。5本の長編ドキュメンタリー映画を製作するのと並行して、多数の現代美術展で映像作品を発表している。主な作品に『科学者として』(1999)、『ニュータウン物語』(2003)、『船、山にのぼる』(2007)がある。

 

 

『やぎの冒険 The Catcher on the Shore』

2010年、監督:仲村颯悟、84分、出演:上原宗司、儀間盛真、平良進、吉田妙子、津波信一
製作:映画「やぎの冒険」製作委員会(株式会社シュガートレイン、沖縄タイムス社、琉球放送株式会社、株式会社インデックス沖縄)、企画/配給:株式会社シュガートレイン

沖縄が生んだ若き才能。監督、十四歳。

裕人は街っ子、那覇の小学六年生。冬休みに母の実家ヤンバルのオジイとオバアの家へ泊りに出かけ、飼われている二頭のやぎにたちまちに引き付けられる。数日後、一頭が見えなくなり、いままた残りの一頭が姿を消す。やぎの運命やいかに?十四歳の監督と同年代の主人公を設定し、少年の成長と何があろうと営営として営まれる沖縄の等身大のいまの暮しがユーモアを交え、アクションで描かれる。シリアスであると同時にコメディ。主題歌はCocco。

 

仲村颯悟(なかむら りゅうご) : 1996年1月10日生れ。現在、沖縄県立球陽高校二年生。本作制作時は十四歳。小学三年生の時からホームビデオを片手に見よう見まねで映画を撮り始める。作品は三十本以上。宮古島で撮影した『島の時間』では1600人動員。

 

 

日限の縁日共催企画

 

『パンダコパンダ』

1972年、原案・脚本・画面設定:宮崎駿、演出:高畑 勲(岡山朝日高校出身)、35分、声の出演:熊倉一雄
製作:東京ムービー、配給:東宝

宮崎・高畑黄金コンビにとって、今なお一番大切なアニメーション

おばあちゃんと二人暮らしのミミちゃん。おばあちゃんが遠くに出かけることになりミミちゃんは、ひとりお留守番。そこにことばを話すパンダの親子がやってくる。パンダブームに沸く1972年に公開された本作品は、「となりのトトロ」などの原点ともいえるシーンもあり、その後の宮崎・高畑作品に通じる完成度の高さが点在のお宝アニメ映画。何よりもミミちゃんの元気のよさが楽しい!  


 

『大魔神怒る』

1966年、監督:三隅研次、出演:本郷功次郎、藤村志保、79分、製作:大映

岡山市表町出身本郷功次郎さん主演!日本の特撮映画史にその名を刻む大魔神復活!

世が乱れ、民が苦しむ。そのとき、穏やかな埴輪武人が大魔神と化す。北欧の巨人伝説をもとにしたチェコ映画「巨人ゴーレム」にインスピレーションを得、日本の民話や伝説を加えた、特撮時代劇。主演は、日限の縁日にふさわしく、表町出身の本郷功次郎さんと若き藤村志保さん。造形は「ウルトラQ」の怪獣造形でも有名な高山良策。音楽はあのゴジラシリーズを手がけた伊福部昭。ハリウッド映画「十戒」を想起するシーンもあり、日本の特撮映画の歴史に名を刻む作品が、1日映画館復活上映作品としてよみがえります。  


 

『尾上松之助×柳下美恵の夕べ--パイオニアの輝き--』

『豪傑児雷也』 1921年,日活製作,牧野省三監督,21分,35ミリ,白黒,画邦,1:1.33,サイレント
※1972年作成の35ミリプリントよりデジタル化。

『中山安兵衛』 1925年,日活京都製作,波多野安正監督,4分
※劇場フィルムが、玩具映写機用に切り売り販売されたもの。

『荒木又右衛門』 1925年,日活京都製作,池田富保監督,7分35秒
※パテ・ベビー(9.5)からの復元。松之助映画出演1000本記念映画。岡山後楽園でもロケ撮影。

以上 伴奏/トーク:柳下美恵

『忠臣蔵』[活弁トーキー版] 1910年~1912年の間に制作されたものと推測,横田商会製作,牧野省三監督,42分,35ミリ,白黒,画邦,1:1.375,トーキー
※当該のバージョンは後年、活弁をサウンドトラックに収録したもの。1988年作成の35ミリプリントより、2005年にデジタル化。3巻目前半は、元素材である可燃性プリントの膜面溶解により、画音とも不良。

 

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